宅建が人気No.1の理由
宅建の難易度を語る上で、「宅建は簡単だ」という噂とともに注視すべきが、受験における間口の広さです。というのも、宅建に受験資格は存在しないのです。つまり、小学生であれご老人であれ、または外国籍の方であれ受験できるということ。つまり、不動産業界に就職・転職したい、または不動産知識を得たいという方なら、誰もが受験できるということなのです。
また、試験の形態も申込者数が多いひとつの要因です。宅建の試験は4科目から計50問が出題されますが(詳しくは次頁で紹介します)、そのすべてが4択式による解答です。この解答方式ゆえに「運があれば受かるのでは?」という甘い認識が芽生え、それが「宅建は簡単」という誤解を生むとともに、毎回、申し込みが20万人超となる理由のひとつとも考えられます。しかし、運だけで合格するならば4択式の正解率は25%となるため、合格率も1/4程度となるはず。18%弱という合格率が運だけでは合格できないことを物語っています。
宅建は不動産業界へのパスポート
さらに、宅建が人気である大きな理由に、不況のいまもなおランキング上位に位置する、不動産業界全体の年収の高さがあります。某ランキングでは、全121社から割り出した平均年収が実に611万円と、他の業界とは格段の好待遇を維持しているようです。
また、不動産仲介企業に営業職として就職した場合、多くの企業で基本給加え、〝歩合〟が支給されます。これは、土地や家屋、マンションの契約が成立した場合、それを販売した営業マンには販売価格の0.5~0.8%の報奨金が基本給に加算されるという仕組みです。ちなみに、3000万円のマンション一戸を販売した場合、営業マンには15~24万円の報奨金が支給されることとなります。
加えて、宅建を所有するそのこと自体も年収に影響します。というのも、不動産仲介業を営む場合、事業所には5人に1人の割合で宅建所有者が在職していることが法律で定められています。その理由は、売買や賃貸契約成立時の「重要事項の説明」が、宅建所有者に限られる独占業務であるからです。そのため、不動産仲介業者にとって宅建所有者は欠かせない存在であり、所有者には資格手当として毎月5000円~3万円が支給されるのです。
これら要因から高収入を実現するために不動産業界への就職・転職を希望する人が増え〝業界のパスポート的〟資格である宅建が人気となっているのです。